転職活動中、時間を持て余していた時期、近所の図書館に通った。静かな空間で、本を読みながら頭を整理できた。ある日、児童書コーナーで「ハリーポッター」を手に取った。子どもの頃に夢中になった本を、久しぶりに読み返すと、魔法の世界に引き込まれた。
隣の席の小学生が、同じ本を読んでいて、「ハリーかっこいいよね」と話しかけてきた。彼は読書感想文に悩んでいたので、書き方のコツを教えた。翌週、彼が「先生のおかげで賞取れた!」と報告に来て、照れながらも嬉しかった。
図書館は、ただ本を読む場所じゃなく、思いがけない出会いがある場所だった。その経験から、人の役に立つ喜びを感じ、転職先を教育関連に絞った。今は塾講師として、子どもたちに学びの楽しさを伝えている。図書館でのあの時間は、人生の道標になった。今も、週末は本を借りに通い、あの小学生の笑顔を思い出す。